奈良県中南部、吉野地域の北端に位置する大淀町は、吉野川の清流と豊かな山々に抱かれた、自然と歴史が調和する町です。吉野への玄関口として、古くから人々の往来があったこの地には、今も静かに信仰が息づいています。
本ツアーでは、考古学・地域学を専門とする学芸員・松田度氏の案内のもと、大淀町に点在する歴史ある古刹を巡り、地域に根ざした宗教文化や人々の祈りのかたちに触れていただきます。最初に訪れる世尊寺は、かつて吉野寺、比曽寺、現光寺とも呼ばれた古寺で、その比曽寺の奥之院には「幻の安佐寺」があったと伝えられています。この安佐寺に伝わる仏像群を今に伝える妙楽寺、西蓮寺、安養寺を巡りながら、信仰の歴史をたどります。
静けさに包まれた寺院を訪ね、移ろう季節の風景とともに、心落ち着くひとときをお過ごしください。